社労士の独立には何が必要?開業準備から営業方法まで!

社労士の独立には何が必要?開業準備から営業方法まで!

終身雇用制度が崩れ、第三の起業ブームと言われている今。資格を取得して独立しようという人は少なくありません。中でも、社労士は、企業経営に重要な要素の1つである「人」に関わる資格。一度取得すれば一生使えると注目されています。しかし、社労士資格をとったからといって、すぐに独立開業して顧客が得られるというわけではありません。

社労士として独立開業し、営業活動をして軌道にのせるために、どんなことが必要なのか。準備すべきことや具体的な手法についてご紹介します。

そもそも社労士は独立開業すべきなのか?

社労士は独立開業した方がいいの? 社労士は独立開業した方がいいの?

社労士資格を取得しても、独立せず、勤務社労士として企業に転職し、活躍する人もいます。社労士資格を取得したら、独立すべきなのか、まずは考えてみましょう。

社労士とはどんな資格?

社労士とは、社会保険労務士を略した呼び方で、社会保険労務士法に基づく国家資格。企業の成長に必要な3つの要素「金」「モノ」「人」のうち、人、つまり人材に関する専門家です。主な業務は、企業の人事、労務管理や年金問題に関する手続、書類作成、コンサルティングなど。労働基準法や雇用保険法などの労働関係の法令や、健康保険、厚生年金保険などの社会保険に関する法令の知識で、企業経営を支援します。

具体的には、人事労務管理に関わる、公共職業安定所や行政機関に提出する書類作成と事務手続き、各種保険(雇用保険など)の手続きなど。また、就業規則や労働名簿などの作成も行います。さらに、人事戦略に関する助成金の案内や手続などのコンサルも業務の1つです。

最近では、国の施策として労働環境や年金制度の変更などがニュースで大きく取り上げられ、社労士の活躍の場は、今後より増加することが予想されています。また、女性特有の労働問題が増えていることもあり、女性ならではの視点をいかしたコンサルができる女性社労士も増えています。

社労士として独立した場合のメリット・デメリットとは?

・開業社労士のメリット

社労士として仕事をする場合は、開業と企業勤務の2つの選択があります。社労士試験に合格し、社労士として登録する際も「開業」と「勤務等」を選択して登録します。2つの営業形態には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

社労士として独立開業するメリットは、知識を活かし、自分の裁量で仕事ができるということ。やればやった分だけ収入になり、直接、顧客が抱える課題を解決できるという達成感もあります。年収が多い社労士はすべて開業社労士。自分のペースで高収入を目指すのなら、独立開業が必須です。

・開業社労士のデメリット

デメリットは、開業したからといって自然に仕事が舞い込んでくるわけではない、ということ。社労士の平均年収は、厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」によると、ここ数年の平均年収は400~500万円くらいを推移しています。ただし、高収入の人もいれば、なかなか収入に結びついていない、という人も少なくありません。独立した社労士は、企業と顧問契約を結んで業務にあたることも多いのですが、税理士等に比べ、顧問単価が低いのも現状。営業力がなければ、独立してもなかなか収入につながらないのです。

・勤務社労士のメリット

勤務社労士は、社労士の肩書をもって、企業で業務を行う社労士です。総務部や人事部に配属されていることが多く、自分のステップアップのために資格をとる人もいます。社内の地位が安定するだけでなく、転職の際も有利に働きます。収入も安定し、資格手当が貰えることもあります。

さらに、社会保険労務士事務所に入って働くこともあります。いずれの場合も、勤務社労士になった場合は、独立を視野にいれながら、経験を積むために勤務する、という社労士も多いようです。

・勤務社労士のデメリット

会社に雇用されている以上、現状以上の収入が欲しい、自分のペースで仕事がしたい、というニーズには応えられません。収入アップや、やりがいをもとめる場合は、独立して開業する必要があります。

社労士独立開業の一連の流れ

社労士として営業するためには登録が必要 社労士として営業するためには登録が必要

社労士として独立するためには、どのような流れがあるのでしょうか。社労士試験を受験して、開業するまでの流れを説明します。

社労士試験に合格しよう

社労士は国家資格なので、まずは、試験に合格しなければ社労士にはなれません。社労士試験の受験申込書受付は、毎年4月中旬から5月下旬まで。試験は8月第4日曜日に行われます。

受験資格は、
1.大学、短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者
2.大学(短期大学を除く)において学土の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者
3.大学(短期大学を除く)において62単位以上を修得した者
などの学歴条件と
1.行政書士資格を有する者
2.司法試験第1次試験に合格した者
などの資格条件のほか、
1.公務員として行政事務に従事した期間が通算して3年以上ある者
2. 公務員として労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算して3年以上ある者
などの職歴資格があります。社会保険労務士試験オフィシャルサイトに記載されていますので、詳細を確認しておきましょう。

受験科目は、労働関係科目や社会保険関係科目。平均的な勉強時間は800~1000時間といわれています。通学講座や通信講座を受けて受験する人も多いようです。近年の社労士試験の合格率は2~7%前後。かなりの難関で、何度も受験している人もいます。

受験料は9,000円(払込手数料別)です。

社労士名簿に登録しよう

難関を突破して社労士試験に合格!でも、すぐに社労士として開業できるわけではありません。

試験合格後、それまでの実務経験が2年以上ない場合は、事務指定講習の受講が義務付けられています。講習は通信教育4カ月と面接指導課程が4日間。受講はいつでもよいのですが、独立開業を考えている場合は、できるだけ早めに受けましょう。

実務経験がある人や、講習が終わった人は、全国社会保険労務士連合会へ登録し、社労士名簿に記載されるようにします。登録には登録費用がかかります。登録は全国社会保険労務士連合会と都道府県の社労士会の2カ所に行います。

登録費用は、登録手数料として3万円、登録免許税として2~3万円のほか、社労士会への入会金が、開業型の場合5~8万円、勤務型などの場合は3~5万円です。都道府県の社労士会への入会金と年会費も別途必要です。費用は変動することもありますので、確認しておきましょう。

独立開業しよう!

社労士会への登録が済んだら、いよいよ独立開業です。最初は自宅を事務所に開業する人も多いようです。

自分の納税地を管轄する税務署に「個人事業の開業届」を提出すれば、開業社労士として仕事ができます。開業届出書は国税庁のホームページからもダウンロードでき、窓口での手続は1時間程度で終了します。開業届の提出は、事業を初めてから1カ月以内と定められていますので、開業を決めたら、早めに準備をしておきましょう。

社労士の独立開業前に準備すべきこととは?

社労士開業前に自分の強みを決めておく 社労士としての自分の強みを考えておこう

いざ、独立開業してもすぐに、収入につながるわけではありません。独立開業前に、準備しておくべきことがあります。

開業費用を準備しよう

社労士として独立開業するだけなら、社労士会への登録と開業届だけで完了しますが、その後、社労士として営業していくためには、それなりの資金が必要です。自宅とは別に事務所をかまえるなら、賃貸費用、電話やFAX、ネット回線などの通信費用も不可欠です。社労士として開業すればすぐに仕事が入って、収入になるわけではないので、活動費として150~180万円程度を準備したほうがよいでしょう。

開業を目指しながら、副業として社労士の仕事をする人もいます。これまでの人脈を活かしながら、平日の夜間や土日を使って副業をすることで、実務経験を積み、独立開業資金を貯める、という方法です。社労士として派遣会社に登録し、短期間勤めるという方法もあります。派遣も開業費用を準備しながら、実務経験や人脈が作れるというメリットもあります。未経験可という社労士事務所への派遣募集が出ていることもあるので、派遣情報サイトなどをチェックしてみるとよいでしょう。

本業以外の収入源もあります。例えば、社労士の学校や通信講座での講師。非常勤講師でもそれなりの収入になります。また、役所や役場などでは、社会保険制度や労働法関連の改正に伴う手続や処理に追われており、社労士を募集していることがあります。こちらも短期間、短時間の仕事ですが、収入源の1つになります。人脈も経験もない期間は、このようなバイトで収入を得る人も多いようです。

このようなバイト期間に出会った人から紹介されたり、セミナー講師として呼ばれるなど、新たな人脈が生まれることもあります。最新の事情についてしっかりと勉強して臨むようにするとよいでしょう。

顧客を獲得しよう

ある程度の資金ができてきたら、自分の顧客を獲得するための営業活動を始めます。しかし、多くの会社を飛び込みで営業しても、すぐに顧客獲得につながるわけではありません。

まず、自分の社労士としての強みは何か?どんなことができるのか?顧客にしっかりとアピールできるよう、把握しておきましょう。

社労士が取り扱える事柄には、さまざまなものがあります。その中から1つ以上は「誰にも負けない」と自信を持って言える分野を作っておくことが重要です。「年金に強い」「助成金情報をいち早く届けられる」のほかにも「宿泊業に強い」「建設業に詳しい」など、得意な業種があれば、特徴としてアピールできます。

得意な分野については、特に勉強を続け、より深い知識と見識を磨き続けましょう。絞り込んだ自分のアピールポイントを使えば、新しい顧客に渡す名刺や案内チラシ、ホームページを効果的に作成することもできます。

社労士を対象にした開業セミナーも開催されています。開業に向けての心構えや、実務的に役立つ具体的な情報が得られるだけでなく、人脈が広がるきっかけになることもあります。情報を共有したり相談できる仲間がいることは、とても心強いものです。積極的に参加し、次の動きにつなげるようにしましょう。

開業後の成功のカギは集客!社労士の営業方法をご紹介

セミナー集客は効果的 セミナー講師は営業にもブランディングにも効果的

開業後の仕事を軌道にのせるためには、やはり集客がポイント。開業してすぐの社労士は、人脈も少ない中、どのように集客していったらいいのでしょうか。具体的な手法をみていきましょう。

紹介

昔からとられている手法で、集客から顧客獲得までの最短距離になるのが「紹介」です。社労士が関わる業務について困っている人に対し「この人がおすすめですよ」と言ってもらえるのが紹介。紹介された相手に、よいイメージから入ってもらえるので、契約につながりやすい、というメリットがあります。

社労士マッチングサイト集客

営業経験がなく、飛び込み営業や新規開拓がうまくできない場合や、逆に忙しくて新規営業ができない場合は、マッチングサイトを上手に利用するのが有効です。マッチングサイトは、顧客にとっても多くの社労士の中から自分のニーズにあった社労士を、比較しながら選べるメリットがあります。

マッチングサイトの利用には、登録時に登録料が必要だったり、契約成立時に手数料が必要など、さまざまな費用負担が必要です。利用料の割合もサイトで大きく異なっているので、利用規約等をよくチェックして選ぶと良いでしょう。サイトによっては、なかなか仕事を紹介してもらえない、仕事があっても成約につながらない、ということもあるようです。費用対効果を考えておかないと、思いがけない出費につながりかねません。

ホームページ集客

顧問契約の社労士を募集している企業の場合、ホームページで社労士を探していることも少なくありません。自分のアピールポイントをわかりやすく、詳細に記載したホームページなら、自分に代わって営業マンになってくれるでしょう。自分の時間を使うことなく、効率的に集客して、魅力を伝えてくれます。集客だけでなく、見込み客を集め、育てる仕組みにもつながります。

さらに、人事労務や社会保険、助成金などの情報をメールマガジンとして配信する仕組みを利用すれば、見込み客を顧客に育てることにもつながります。単発のお客さまでも、つながりを継続できるので、リピートや顧問契約につなげやすくなります。

ただし、SEOをしっかりしておかないと、なかなか見込み客の目に入るホームページにはなりません。対策業者などに依頼してホームページをしっかり作ろうとするのであれば、それなりの費用も必要になります。

セミナー集客

社労士が営業を目的としてセミナーを開催することも、よく行われています。セミナーの先生となり、自分がもっている専門知識を役立つ情報として提供します。経営者にとって役立つ情報であれば、多くの人が集まり、そこから顧客を発掘することができます。

セミナーは個別相談等に比べて営業感が出にくく、参加者も気軽に参加しやすい、というメリットがあります。また、参加者にとっては「先生」なので、社会的な権威も加わり、信頼性や親しみといった関係性が構築でき、自分のブランド化にもつながります。

ただし、自分の名前が知られているわけではないので、集客や開催場所などにコストがかかるというのも事実。セミナーの主催は簡単に顧客獲得にはつながりません。そんなときは、商工会など、経営者の団体などに営業して、勉強会の講師としてセミナーを開催できることがあります。この場合は、自分で集客する必要がないので、より効率的に見込み客を集めることができます。うまくいけば、別のセミナーの講師として紹介してもらえることもあります。

セミナー集客がうまくいけば、他の社労士との価格競争にも巻き込まれにくくなり、収入の確保にもつながっていきます。

ブログ集客

ホームページとは別に「ブログ」を開設して集客している社労士もいます。ホームページは「事務所」としての色合いが強いのですが、ブログは個人的なイメージが強いツール。社労士自身のブランド化にもつなげられます。

ブログは、社会的に注目されている情報や、人事労務、社会保険についての最新情報など、経営者が注目しやすいネタを発信するのに向いています。丁寧な説明とわかりやすい文章をつづることで、信用がアップし契約につながりやすくなります。

ホームページと異なり、更新しやすいことも大きなメリット。最新の動向を提供してくれている、という印象は、イメージアップにもつながるでしょう。

費用対効果の高い集客をしよう!

ミツモアなら費用対効果の高い集客ができる ミツモアなら費用対効果の高い集客ができる

登録するだけで顧問先の依頼が届くサイト「ミツモア」とは?

マッチングサイトの集客は、手間をかけずに広く集客できる効果的な方法です。しかし、登録料や成果報酬など、思った以上に費用がかかることもあります。また、多くの社労士を比較するため、すぐに契約につながらない人も多いようです。

そんなマッチングサイトのデメリットを最小限に押さえたのが「ミツモア」です。ミツモアは、専門の知識や技術をもったプロと消費者をマッチングするサービス。現在、社労士を始め3万人を超えるプロが登録しています。プロのスキルを求めている消費者が、依頼内容や予算などを提示し、それに対する見積りや提案をプロが送付することで、両者をマッチングしています。

ミツモアの大きな特徴は、プロの登録料や月額利用料、成約手数料等が完全無料という点。費用が発生するのは見積り応募時のみです。応募手数料も他のサイトに比べて安価に設定されています。

登録すると、事業者用のページが無料で開設できます、事業者のページには、特徴や得意分野、アピールポイントだけでなく、実績や利用者の口コミも掲載。事業者は無料で広告が掲載でき、消費者は消費者目線での事業者評価を見ながら、事業者を選ぶことができます。事業者は、関連する案件への依頼があったとき、その内容を確認して、応募するだけで、顧客獲得につながるのです。

さらに、これまでの比較サイトと異なり、ミツモアは1つの依頼に対して見積りを送信できる事業者を5社に限定。その後のやり取りでも、顧客とのコミュニケーションの質が高まるため、受注率が高くなっています。登録間もない業者でも、受注につながったという事例も多く、選ばれる理由にもなっています。

無料で試して自分に合った集客方法を見つけよう!

社労士として独立し成功するためには、費用対効果の高い集客方法を見つけるのが重要なポイントです。ミツモアなら、依頼された見積りに応募するまでは、無料で、告知スペースに情報を掲載できます。自分専用のページを上手に使いながら、特徴をアピールしていけば、指名案件に繋がる可能性もあります。

マッチングサイトの利用を検討するなら、まずは無料で登録できるミツモアで、自分アピールと集客を試してみてはいかがでしょうか。


税理士の独立開業後の営業・集客方法解説!失敗しないポイント

税理士の独立開業後の営業・集客方法解説!失敗しないポイント

いつか税理士として独立開業したい。そう思っている税理士の方もいるでしょう。しかし、「独立開業して失敗するのが怖い」、「顧問先を獲得する営業力が自分にあるのだろうか?」と、最後の一歩を踏み出せない人も多いはず。そんな方々のために、独立開業を成功に導く営業・集客方法を一挙ご紹介します。

税理士の集客方法を6つご紹介

税理士 集客

では、具体的にどう動くべきなのでしょうか?

税理士の営業や集客といえば、一昔前までは、紹介が主流でした。これまでに培ってきた人脈を最大限に活用して、仕事を得るのです。しかし、相手を紹介してもらい顧客としていくだけでは限界が出てきました。その理由は、税理士の人数そのものが増えてきたことと、インターネットが普及してきた昨今の情報の動きの早さを考えると、自身の人脈や知人からの紹介のみの集客は決して効率的とは言えません。

顧客もインターネットで税理士を探して選ぶことが増えてきた時代です。見込み客が気軽に触れるネットによるWeb集客に焦点をあててみましょう。Web集客といっても、その方法は様々です。それぞれのメリットやデメリットを踏まえた上で、上手く組み合わせることができれば、高い集客効果を期待できるはずです。

税理士マッチングサイト集客

税理士マッチングサイトを集客に利用することで、独立開業したばかりの税理士の方でも見込み客をすぐに見つけることが可能です。多くの見込み客がいるマッチングサイト上で自身の営業活動ができる点は、大きなメリットとなります。

また、マッチングシステムを利用することになるので、顧客の望む税理士として紹介される可能性が高いです。その結果、リピーターとして継続的にお付き合いできる可能性もあります。

マッチングサイトを利用するためには、定められた費用が発生します。サービスによって、料金体系が異なり、登録は無料だったり有料会員にグレードアップすることで、色々な機能が使えるようになります。

また、成果報酬型のような特定の成果に対して、料金が発生するタイプもあります。中には、成果報酬で1年分の顧問料の5割以上を支払わないといけないサイトもあるため、予想以上に利益を圧迫する可能性があります。

営業活動においての予算に支障が出ないように注意する必要があることを念頭に置いておきましょう。

メリット

・起業したばかりでも見込み客にアプローチできる
・顧客からの口コミ等で紹介やリピーターの獲得につながる可能性がある

デメリット

・マッチングサイト毎に定められた費用を支払う必要がある
・予算に合ったサービスを利用しなければ利益の圧迫につながる

ホームページ集客

ネットを使って集客をするなら必ずおさえておきたい方法がホームぺージでの集客です。

最近では、多くの税理士が自分のホームページを開設し、集客・顧問契約を目指しています。

また、集客だけではなく、自分という税理士をわかりやすく紹介する広告塔のように活用することができ、情報をしっかり更新することで、営業活動の一翼を担ってくれるでしょう。

開設しておくだけで、半永久的に営業をしてくれるホームページですが、多くの場合が、大手検索エンジンからの流入を意識しWeb経由の集客を狙っています。その大手検索エンジンの順位争いも、税理士業と同様に激化しています。

そこで必要になるのが、検索エンジンの順位を上げるための対策ですが、当然、専門業者に依頼すると費用が発生します。

加えて、ホームページは顧客が信頼性を計る基準として使うこともあります。そのため、印象が非常に重要で、最低限の見栄えを整える必要があり、プロのWebデザイナーに制作を依頼すると、数万から数十万という初期費用が必要です。ホームページを使って集客する場合、これらのコストがデメリットになるでしょう。

メリット

・開設することでWebからの集客が狙え、半永久的に営業活動をしてくれるツールとなる
・クオリティの高いホームページにすることで、起業直後でも顧客の信頼を得ることもできる

デメリット

・検索順位競争が激化している
・検索順位対策の知識が必要で業者に依頼すると費用がかかる
・デザインを依頼するにも費用が発生する

Googleマイビジネス

Googleマイビジネスは、Google検索やGoogleマップといったサービスに、自身のビジネス内容・会社情報を登録し、その情報を表示させることができるツールです。

登録することで、検索結果上位のマイビジネスの枠に表示される可能性が高くなり、見込み客の集客につなげることが可能です。

Googleマイビジネスは無料で登録が可能なので、起業したばかりの経営者税理士の方でもすぐに活用することができるため、使わない手はないでしょう。

注意点としては、口コミを投稿できる仕組みとなっているため。悪い口コミが書かれた際は集客においてデメリットとなってしまう可能性があります。

そうならないためにも、自身の顧客対応をしっかり磨いておくことが重要です。

メリット

・Googleの検索結果やマップ上に自身のビジネス情報を掲載できる
・無料ですぐに始めることができる

デメリット

・口コミ投稿機能があるため、悪い口コミが付くと集客に影響が出る

検索連動型広告

検索連動型広告は、検索エンジンで特定のワードで検索された際に、検索結果に表示される広告のことを指します。

「税理士 千代田区」といったエリア掛け合わせワードや、「税理士 安い」といった様々なワードで広告を表示させることが可能です。広告のリンク先もホームページや専用ページなど任意で設定し、広告からの集客・顧客獲得を狙うことができます。

検索連動型広告は、基本的に1クリックあたりの入札単価を設定し、同じワードで広告を表示したい他社との入札単価によるオークションが行われ、その他品質などあらゆる指標で自身の広告掲載順位が決定します。

クリック型課金のため、クリックされたときにしか費用がかかりません。1日の上限予算も設定できるため、使いすぎることもありません。

タグの設置等の作業がありますが、サポートも充実しているため、慣れてくれば非常に強力な集客ツールとなり得るのが検索連動型広告を利用する大きなメリットです。

ただし、代理店等に広告運用の代行を依頼すると、手数料として数十パーセントの費用かかるので、できればご自身で運用を実施することをおすすめします。

メリット

・検索結果の上位に掲載できる可能性があり、見込み客にアプローチが可能
・広告がクリックされたときだけ費用が発生する
・1日の上限予算も設定可能。予算が少なくても実施できる

デメリット

・代理店に広告運用を依頼すると手数料が発生する

ソーシャルメディア集客

スマートフォンの普及によって、今や国民の必需品ともいえる存在なのがSNSです。今後、SNSが当たり前の世代が企業における意思決定者になっていくことを考えれば、集客の必須ツールといえるのではないでしょうか。ソーシャルメディアのメリットは、優れた拡散力と手軽さです。無料でアカウントを開設できるので、ホームページ代わりに使っている税理士も多いです。

利用に費用が発生することがないので、コスト面でデメリットはありません。しかし、SNS内での公私混同には十分に注意する必要があって、士業や政治家など、ステータスを持った人物による不適切な発言が信用問題に発展することも珍しくありません。その気軽さから、ついつい余計な一言を発言してしまうのがSNSなので、集客に利用する際は、十分に注意しましょう。

では、どのようなSNSツールがあるのでしょうか。

Facebook

Facebookは実名制かつ利用ユーザーの年齢層が高めで、コミュニケーションツールとして会社経営者の方の利用も多い点が特徴です。

基本的には知人同士のつながりとなるため、契約し顧客となったクライアントへ向けての情報発信がメインとなる場合もありますが、Facebookでも広告を出すことができるので、様々な職業や年齢層のユーザーにアプローチすることも可能です。

また、税理士を含む士業同士のグループがあり、交流が図れる点も魅力的です。

Twitter

TwitterはFacebookと異なり、匿名での交流が図れるSNSツールです。多くの人にアプローチできる可能性があり、個人アカウントとアイコンは自分自身に設定して確定申告シーズンや税制改正のタイミングでの解説ツイートを行うことなどが有効でしょう。

また、Twitter年齢層が若めのため、会社経営者よりも個人や個人事業主がターゲットになりそうです。近年、副業の解禁などで税金に関心を持っている人も多いため、そのような方に向けたツイートを積極的に発信しフォロワーを獲得していくことで、見込み客を獲得できる可能性が高まります。

もちろん、Twitterでも広告配信ができるため、予算が合えば露出を増やしていくことも可能です。

Youtube

Youtubeに動画をアップして自身を売り込みアプローチする方法です。

紹介した中で最もハードルが高く、再生回数をコンスタントに増やしていくことは簡単なことではありません。

ただし、最近の検索結果にはワードによっては、動画が上位に表示されているケースもあります。今後、検索結果で動画を目にする機会が増えてくれば、おのずとアクセスを稼ぐことができるので、他の税理士事務所が取り組む前に始めてみてもよいかもしれません。

ブログで情報発信

ホームページよりも手軽に利用できるのがブログです。検索エンジンに対して、何の対策もしていない状況では、ホームページと比較しブログの方が多少集客に有利です。

ブログは、開設当初からある程度ネット内での繋がりが確立された状態なので、検索エンジン以外のリンクをたどって集客を見込める可能性があります。

また、閲覧者にとってもホームページより気軽なイメージで、コメントでのやり取りの後、契約に繋がることも考えられます。

また、日々の業務の様子を掲載するなど、コンテンツの更新もホームページより容易です。

ブログ上で、メルマガ登録を促してみても良いでしょう。メルマガ限定の情報や特典を用意したりといった、登録者数を増やす仕組みを作っていくことが重要です。

ブログは無料で開設できるので、ホームページほどコストはかかりません。それでも、本格的に業務用にカスタマイズしようと思ったら、それなりの費用が必要です。また、ブログを開設して日々更新しているだけでは、それほど集客を見込めない点もデメリットになります。集客効果を改善するため、検索エンジンの順位を上げる対策を業者に依頼すれば、ホームページと同様に費用が発生してしまいます。

メリット

・ホームページよりも無料かつ手軽に利用できる
・コンテンツ更新が容易にできる

デメリット

・ただ単に更新しているだけではアクセス数を増やせない可能性がある
・検索エンジン対策に費用がかかる

Web以外の集客方法

続いて、ネット以外での集客方法を3つご紹介します。

人が行う営業活動

飛び込みで営業したり、チラシを作って配布したりする方法もあるでしょう。営業のメリットは、ネットと違い、顧客に対してより近い距離で接点を持てる部分です。ネットが広く浅い集客に向いているなら、営業は狭く深い営業に向いているといえるでしょう。そのため、ネット集客では築けないような深い関係を相手と築ける可能性があります。

営業をして集客をするデメリットですが、自分自身が営業する場合、税理士としての業務が疎かになってしまう可能性があります。

また、人やチラシを使って営業をする場合、そのために必要な人件費や広告費が気になります。

セミナー集客

セミナーや講演会は、集客という意味では、それほど効果は高くありません。なぜなら、そもそもセミナーに人を集めるための集客が必要で、知名度の低い無名の税理士のセミナーに参加する人など少数に決まっているのです。しかし、ある程度、知名度のある税理士が「税理士テクニックの勉強会」、「一般人向けの節税対策」などのテーマで実施すれば、見込み客の獲得とセミナー開催による利益が発生します。この集客と利益を同時に狙えるという点はメリットだといえるでしょう。

セミナーでの集客のデメリットは、集客効果がそれほど高くない点です。無料で開催して知名度を高める方法も考えられますが、会場費等の費用も発生するので、資金に余裕のない税理士が、そう何度も行えるものではありません。

ダイレクトメール(DM)の送付

法人登記された企業のリストをもとに、ダイレクトメールを送り反響を得る方法です。目を通す機会が多く、かつ税理士を最も必要としている見込み客へ直接訴求が出来るため、Web集客以外の方法の中では最も優れた集客方法ではないでしょうか。

ただし、より多くの反響を得るためには、優れたデザインとキャッチコピーが必要です。

テレアポはおすすめしません

テレアポは効率が非常に悪く、とにかく電話をかけて営業を実施しても、数千件のうち数件契約してもらえるかどうかの確率です。

さらに、税理士という職業のためテレアポにより評判が落ちてしまうことも考えられます。

自身の商圏で評判が下がってしまったら、今後の営業活動に支障が出てしまいます。

費用対効果の高い集客をしよう

集客といっても様々な手段があります。集客で重要なのは、費用対効果の高い集客方法を見つけて実践していくことです。

ブログ、FacebookやTwitterといったSNSなどを無料開設したり、マッチングサイトも無料で登録できるものから利用していくとよいでしょう。これらに営業なども組み合わせれば、お金を使わずして、一定の集客効果を得られるかもしれません。

契約率が高い税理士の特徴とは?

開業税理士として独立したら顧客となってくれる人を見つけて契約しなくてはなりません。

営業活動をいくら頑張っても、契約率が低ければ収益に結びつけることが難しくなってきます。では、どういったことをすれば契約率が高くなるのでしょうか。その特徴を見ていきます。

幅広い要望に対応できる

会社の登記や助成金といった司法書士や社労士の業務分野も自分自身が窓口になり複数の問題を解決できるようになれば、顧問先にとっては非常に魅力的です。

また、使用する会計ソフトも幅広く対応しておけば、会社それぞれの内情にあった方法で対応できるようになります。

会社(経営者)の課題・問題点を掴みアピール

初回の商談で、経営者の感じている課題を掴み、的確な提案を出来るようになれば契約率は上がってきます。自身の税理士としての強みを活かして、課題や問題点に対してどのように解決していくかを提案すると良いのではないでしょうか。

また、起業したばかりの経営者で税理士を探している場合は、費用面のアピールが有効です。起業直後はランニングコストを安く抑えたいニーズが強く、他事務所と比較することが多いため、費用面のメリットを伝えていくことも重要です。

顧客への返答・返信が早く丁寧

顧客からの質問に対して的確かつ素早く返答することで、信頼を得ることが可能です。例えば、初回の相談は土日祝日・夜間も対応することで、税理士を探している見込み客の囲い込みができます。そうすることで、契約率を高めて案件の獲得数を増やしていけます。

また、Eメールに限らず、FacebookのメッセンジャーやLINE、Zoomといったビデオ会議ツールも併用することで、相談間口はさらに広がります。

顧問先の獲得が税理士の明暗を分ける

独立開業は税理士にとってはひとつの目標

柔軟なライフスタイルを維持しながら、高収入を得る。こんな夢のような働き方を実現できるのが、税理士にとっての独立開業です。

税理士として開業しようとするときに一番気になるのは、十分な年収を得られるかどうかでしょう。一般的な勤務税理士の年収は、資格取得の難易度を考えれば決して高くありません。勤務税理士と開業税理士では、どのくらい年収が変わるのでしょうか。

勤務税理士と開業税理士の年収比較

勤務税理士の年収は、あくまで全世代を平均した金額で、20代・30代だと400万円台程度と言われています。また、収入面以外にも色々なデメリットがあります。勤務税理士の時には、勤め先の都合で、付き合いたくない顧客とも半ば強制的に顧問契約を結ばなければならないことがあります。

しかし、開業税理士としてある程度の地位になれば、自分から仕事を選ぶ立場になれるのです。

さらに、税理士の仕事といっても、その範囲は広く、得意分野もあれば、苦手分野もあるでしょう。開業税理士は、自分の得意分野に特化した税理士事務所を運営することも可能です。このように考えれば、本気で税理士を目指す人にとって、いかに独立開業が良いものかを理解できるのではないでしょうか。

税理士顧問料は低下傾向?!薄利多売型のビジネスに

税理士にとって独立開業が魅力的なのは、間違いありません。しかし、一昔前までとは、ずいぶん事情が変わっているので、何が変わったのかを把握しておく必要があるでしょう。一番の変化は、近年の税理士のお仕事事情は、薄利多売化が顕著だということです。

年々増え続ける税理士によって仕事の奪い合いが発生している状況で、その結果、税理士顧問料も低下傾向にあるのです。また、税理士の数が増える一方で、企業の数は少なくなっていて、これも競争激化に拍車をかけています。

税理士の月額顧問料の相場

上記のように、十分な収入を得るには多くの顧問先を持ち対応していく必要があり、営業・集客の巧拙が勝負を分けるといえそうです。

税理士の仕事は今後なくなる?

税理士の数と顧客である企業数の減少は、開業税理士にとっての懸念事項です。加えて、これから独立開業を失敗しないためには、新しい技術にも注意する必要があります。

例えば、2017年に世間を賑わした仮想通貨には、ブロックチェーンという技術が使われています。実はこのブロックチェーン技術は、税理士をはじめとした、士業系の仕事に応用することもできます。ブロックチェーンを利用することによって、より正確で自動化された税金システムが構築される可能性があるのです。ブロックチェーンが税金のシステムに導入されると、国税局が容易に国民の納税状況を把握できるようになり、これまで税理士の行っていた業務の多くが代替される可能性があります。

すでにプライベートブロックチェーンとして金融システムへの本格的な導入が始まろうかとしている段階なので、近い将来、税理士が機械に仕事を奪われる可能性も十分に考えられます。そうなった場合、税理士が行うのは機械で代替できない高度な仕事に限られるようになり、競争がより一層激化すると思われます。

開業に失敗すると悲惨な例も・・・

税理士 集客 集客は最初の1回までが遠い

集客は最初の案件獲得までの道のりが遠いです。

このように業界の動向を考えてみると、夢である独立開業も安易には選択できません。税理士の中には、10年もの時間を費やして、やっと税理士試験に受かる人もいます。最近は、そのような人が夢だけを追いかけて、独立開業した結果、失敗するというケースも目立ちます。

どんなに実力のある税理士が独立開業しても、その税理士が世間に認知されていなければ、収入には繋がらないのです。そして、独立開業した後にそのことに気づき、営業を始めるも、開業前には見えなかった広告宣伝費等の出費に驚き途方に暮れることになります。勤務税理士は、○○税理士事務所という強力な看板の下、自分は税理士の一人として自身が抱えている業務のみをしているので、どうしても集客の重要性がぼやけてしまうのです。

税理士開業失敗の悲痛な叫び

念願の起業をして、税理士事務所を開業し経営者側になれたが、厳しい現実に直面している方もいらっしゃいます。

まったく仕事を得られない

「税理士は座っていても仕事が来る時代は、とっくの昔に終わっていたようです。苦節4年、念願の資格取得をした私は、完全に有頂天でした。勤めていた会計事務所を退職し、夢の独立開業。しかし、現実はそう甘くはなく、開業してから数カ月、全く仕事を得られないのです。こんなはずじゃなかった」

知人からの紹介だけでは厳しい

「私と同じく税理士の友人は、独立開業して見事に成功を収めています。しかし、私は友人のようにはいきませんでした。独立して1年目は、これまで培ってきた知人のツテやコネで乗り切ってきました。そこからが地獄の始まりで、開業前夢見ていた、年収1000万などには到底届きそうにありませんし、事務所の維持も難しくなってきました。友人との大きな違いは、ネット戦略だったようです。」

安い単価で引き受けて負のスパイラルに

「独立して暫く仕事がない時期が続きました。一念発起して、安い単価で仕事を請け負うようになったのですが、一向に収入が上向く気配がなく、働けど働けど暮らしが楽になることはありません。入ってくる報酬が少ないので、どうしても維持費や広告費が利益を圧迫してしまうんです。まさに、税理士開業の負のスパイラル状態で、こんなことなら独立なんてするんじゃなかった。」

開業税理士の成功の鍵は集客

これから開業税理士として成功するためには、税理士としての能力はもちろん、Web広告をはじめ、あらゆる媒体を活用した集客が重要だといえるでしょう。考え方によっては、税理士としての能力が普通程度であっても、集客能力が高ければ、継続的に高収入を得られる可能性があります。

継続的なコミュニケーションによる信頼関係があって、初めて腕の良い税理士と顧客に認識してもらえるので、まずは、きっかけが必要なのです。そして、そのきっかけをつくってくれるのが集客になります。

逆に考えれば、税理士として相応の腕を持っているなら、集客によって大きな成果を上げられます。だからこそ、開業税理士として成功するには集客戦略がとてつもなく大事になってくるのです。

まとめ:ミツモアでお客様と繋がろう

税理士 集客 ファーストコンタクトをサポート

税理士の独立開業の成功のカギである集客。そのきっかけとなる見込み客とのファーストコンタクトをミツモアがサポートします。

登録するだけで仕事の依頼が届くサイト「ミツモア」とは?

これまでのマッチングサイトでは、案件数が少なく登録してもなかなか新規顧客を見つけられずに困っている方も多いのではないでしょうか。

また、せっかく顧客につながっても、自分が求めていたような顧客ではなかったために結局登録をやめてしまったというお声も聞くことがあります。一方、ミツモアにはこんなメリットがあります。

  • 登録・案件閲覧無料
  • 依頼数が圧倒的に多い
  • 条件に合う依頼に対して手間をかけず効率的に集客可能

腕が良い税理士であっても、その腕の良さをお客様に見ていただかない限り、待っているだけでは人は集まりません。

また、報酬が見合わない依頼や得意分野とはかけ離れた依頼など、受けたくない案件を受け続けていても効率が悪く様々なロスが発生してしまいます。

ミツモアは「依頼者だけが事業者を選ぶのではなく、事業者の方にもご自身に合う依頼を選んで受けて頂きたい」という想いで運営しています。

登録は無料なので、まずは登録だけしてどんな依頼が届くのか見てみるのも良いでしょう。

実際に案件を受けてみたいなと思った際には、どうすれば成約しやすいかなど、ミツモアのサポートに相談しやすい仕組みになっています。

すでに、ミツモアでは数多くの税理士が活躍しています。ミツモアで活躍している税理士の声はこちら↓
ミツモア大学・税理士記事一覧

実際に「ミツモア」を利用しているプロの声

税理士法人タックスケア – 神奈川県平塚市老松町

『ミツモアのことは、ネットを何気なく見ていて初めて知りました。最初は見積もりを出すというやりかたに少し戸惑いましたが、慣れると意外と簡単でした。登録してから早々に、あるお客さまの確定申告を受注しました。チャットで大まかなやりとりをした後に、お電話でお話しをさせていただきました。「ああ、ネットを利用して、こんなこともできるのだ」と感心しました。この仕事に縁はつきもの。良い出会いのために、今後もミツモアを大いに活用したいと思っています。』


行政書士の独立開業で失敗しないために知っておきたいこと

行政書士の独立開業で失敗しないために知っておきたいこと

官公庁へ提出する許認可関連の書類や契約書、遺言書等の書類は年々複雑化しており、素人が付け焼刃で作成するには時間的にも精神的にも負担がかかるようになってきました。そのため、書類作成のスペシャリストである行政書士の仕事がどんどん増えてきています。さらに、弁護士や税理士の士業と比べ資格取得の難易度が低いことから、専業はもちろんのこと、キャリアチェンジや副業としての開業も注目を集めています。それでは、実際に行政書士として開業して成功できるのか、開業の費用はどれくらいなのか、顧客はどうやって集めているかなど、気になるところを解説していきましょう。

行政書士は独立開業すべきなのか

そもそも行政書士として独立開業した場合、年収等はどんなものなのでしょうか。行政書士の資格を取得した人の開業している割合や開業のメリット・デメリットを見てみます。

行政書士の独立開業する割合

行政書士試験の合格者数は年4,000~6,000人ですが、新規登録者数は毎年約2,500件と開業や勤務行政書士として資格を使う人は約半数となっています。また登録抹消者数は毎年約1,700件ですので、年間約800件登録者が増えていることになります。この数字は開業行政書士、勤務行政書士どちらも含まれているのですが、ここ数年800件ずつ増加傾向が続いていることから、行政書士の資格を取得したらそれを活かして仕事にしているケースは非常に多いことがうかがえます。なお、総務省が発表している平成28年のデータでは新規登録者2,526件に対し登録抹消者数は1,762件でした。

参考 総務省HP

行政書士が独立開業する場合のメリット

一番のメリットは他業種と比べて開業コストが低いこと、そして他士業と比べ実務経験や顧客対応等、サービス力を維持するための時間が少ない点です。まず開業コストですが、事務所や店舗を持たず自宅で始めることもできますし、設備投資に関してもPCをはじめとした事務機器がある程度揃っていれば当面の業務は問題なくおこなえます。また、士業であるため最新の法令等を常に勉強することは当然ですが、高度で幅広い法律知識と経験を必要とする弁護士や税務だけでなく会計や資金繰り、ライフプランまで対応している税理士や会計士よりは業務の範囲がある程度限られているため、他の士業より開業はしやすいといえるでしょう。

行政書士が独立開業する場合のデメリット

ライバルが多い、これが最大のデメリットです。実は、行政書士の登録資格は行政書士試験に合格することだけではなく、弁護士や税理士の資格でも登録をすることができるのです。またこれらの資格は行政書士の業務(官公庁への許認可申請や契約書の作成等)と非常に相性が良く、顧問契約をしている弁護士や税理士等へワンストップで依頼するということがよくあります。開業をするときにはこのデメリットにどう対応するかを十分に考えておきましょう。

Point! ライバルは同業者プラス他の士業と非常に多い。開業前に対策を。

行政書士の年収

開業で一番気になるのは、どれくらい収入があるかではないでしょうか。行政書士の年収は地域によっても変わりますが、平均で約600万円と言われています。この数字はここ数年変わっていないのですが、その代わりに稼げる行政書士(約2,000~3,000万円)と稼げない行政書士(約300~400万円)に二極化している傾向があります。行政書士として開業すれば必ず今の収入より上がるわけではないことは頭に入れておきましょう。

Point! 行政書士の年収は平均600万円。ただ格差が大きいのには注意!

行政書士として独立開業するために準備すること

無事行政書士の資格を取得したとしても、すぐに収入を得られるわけではありません。まずは開業というハードルが待ち構えています。ここをしっかり準備しておくのか、勢いだけで開業してしまうかでは雲泥の差が出てきますので、スムーズに開業するには事前にどのようなことをしておけばいいのかを押さえておきましょう。

開業資金の準備

開業をするときにまず考えなければならないのが、開業資金の計算とその準備です。自宅で開業するのか、事務所を構えるのか、ホームページは作るのか等々で変わってきますが、おおよそ下記の金額がかかります。

 

 

①~④は必須の費用ですので、最低でも60万円、⑤や⑥まで考慮すると、200~300万円ほどが必要になります。資金の準備は自己資金でできるのが理想ですが、自己資金のみでは厳しい・・・という場合は、銀行や日本政策金融公庫が開業資金の貸し付けも行っていますので、相談してみるといいでしょう。ただし返済計画や事業プランは自己資金のみでするよりもシビアに立てなければなりません。

Point! 開業にかかる資金は最低60万円~。自己資金がベストだが開業資金の融資もある。

専門分野の決定

行政書士の主な業務は官公庁への申請業務や各種契約書の作成等ですが、その幅は非常に広く、個人ですべてをカバーするのは不可能と言ってもいいくらいです。ですので、ある程度専門分野を決めておいて、そこから業務の幅を広げていくといいでしょう。比較的参入しやすい分野は下記のものがあります。

①建設・産業廃棄等

行政書士としては最も需要が高く、安定して収入を得られる分野です。行政書士として最初の仕事がこの分野だったという人も少なくありません。ただ、同業者との競合もかなり多いため、価格競争が起こりやすいという面もあります。

主な業務は建設業許可申請・産業廃棄物許可申請等です。

②飲食店

飲食店は繁華街に集中していることが多く、狭いエリアの中で多くの潜在顧客が見込めることから、効率よく安定した収入を得たい場合に対象となる分野です。また、他分野と比べ専門性が高いため、ライバルがそれほど多くない点もメリットです。ただ、申請書の作成には店舗の図面作成等特殊な知識が必要、申請許可が下りるまで営業が開始できないため書類の不備で営業開始日までに許可が下りなかったときのリスクなど、独特のデメリットもあります。この分野を専門にしたい場合は、申請先である警察関係者や飲食店に強い行政書士さんに話を聞いてみるのが良いでしょう。

主な業務は飲食店営業許可申請・深夜酒類提供飲食営業許可申請等です。

③運送業・自動車販売業

新規参入業者が多いため、開業したての行政書士でも新規顧客を獲得しやすい分野です。また専門性もそこまで必要とせず、建設・産廃と同様安定して収入を見込めます。ただ競合が多いことも同様で、他業種と比べ業務1件当たりの単価がそれほど高くないのがデメリット。いかに効率よく業務をさばけるかがこの分野のカギになるでしょう。

主な業務は貨物運送事業許可申請・車庫証明申請・道路使用許可申請等です。

④外国人

最近はコンビニの店員さんが外国人というのも珍しくなくなりましたよね。それだけ外国人労働者が身近になった分、就労ビザの申請は需要が大きい分野になってきました。これに付随して、留学ビザや帰化、永住権の取得など行政書士へ対する需要が増えてきています。外国人相手という特殊な要件をクリアできれば、ライバルが少ない分野として検討してもいいのではないでしょうか。

⑤その他

その他で注目されている分野としては、会社設立関連・相続関連等があります。ただ、これらは会社法や民法など法律関連の知識が必須な上、他士業との相性が良いため、そういった事務所とのパイプがないのであればあまりオススメできる分野ではありません。ただ前職が士業の事務所勤務だった等のパイプがあるのであればアドバンテージが取れる分野ではありますので、狙い目と言えるでしょう。

どの分野をメインにするのか、ご自身のキャリアや知識のある業種を考えて選ぶといいでしょう。

Point! 業種によって仕事の内容は変わってくる。得意な分野をメインの仕事にしよう!

顧客の獲得

開業が成功するか失敗するかの分かれ目は、顧客の獲得にかかっていると言っても過言ではありません。特に開業したての時は業務や経営に慣れるという点でも、顧客は多ければ多いほどいいでしょう。ただ、新人からベテランまで多くの行政書士が悩んでいるように、永遠の課題でもあります。できれば開業前に顧客を付けていることが理想ですが、せめてどのように顧客を獲得していくのかのプランは事前に考えておきましょう。具体的な獲得方法については次章で解説します。

Point! 開業前に顧客がいれば理想だが、最低でも顧客獲得プランは作っておこう!

独立開業で明暗を分ける顧問先の獲得方法

 前章でもふれましたが、安定した顧客の獲得は安定した収入を得るための生命線です。ではどのような方法で顧客を獲得していけばいいのでしょうか。この章ではその具体的な方法を解説していきます。

紹介

弁護士や税理士、社労士等から行政書士の仕事を振ってもらったり、銀行や商工会議所、他の顧客を介して行政書士を探している顧客を紹介してもらう、一番スタンダードな方法です。紹介元との信頼関係を作るまでが大変ではありますが、そこさえクリアできれば他の集客方法と比べ比較的負担が少なく、人を介するので優良な顧客を獲得しやすい傾向があります。ただ、紹介はほかの行政書士、特にベテランの人がすでにパイプを作っていることが多いため、新人行政書士が入り込めるスキマはそれほど多くありません。

Point! 紹介は優良顧客が見込めるものの、新人行政書士の入る余地は少ない。

ホームページ集客

開業後すぐにとりかかれ、かつ新規顧客を比較的見込みやすい集客方法がホームページによるものです。口述しているセミナーやブログ等もこのホームページを介して行うことが多く、現在の情報取得はネットが主流であることからも必須のツールといえるでしょう。士業のホームページで集客をするノウハウを提供しているサイトはたくさんありますので、自分のスタイルに合ったものを勉強していきましょう。

Point! ホームページの作成は必須!集客の肝となる部分なのでしっかり作り込もう。

セミナー集客

行政書士の業務は一般の人から見たら専門的な知識や経験が必要なものが多いため、セミナーで勉強をしたいという需要は多いです。また、同業者や他士業の方がスキルアップのためにセミナーを利用するということもよくあります。この人たちに入口商品として知識や経験を土台にした情報を提供し、最終的に紹介の拠点や直接的に顧客を得るのがセミナー集客の方法です。開業したての新人行政書士がいきなり会場でセミナーをするのはハードルが高いですが、最近でははweb動画で一般の方向けにテーマを絞ったセミナーを行うこともできますので、他の集客方法と合わせて活用するといいでしょう。

Point! 新人行政書士はweb動画セミナーがオススメ。他の集客とミックスして使おう!

ブログで情報発信

ホームページでの集客は細かい更新によってアクセス数(接触回数)を伸ばすのがポイントですが、ブログによる情報発信が一番興味を引きやすく、また手軽にできてオススメです。ただ、最低でも週に2~3回は更新しないと同業者に差をつけられませんので、どういった情報をこまめに伝えていくかが大事になります。士業では法令改正や最新の動向などを発信しているところが多いのですが、業界では常識だけど一般の人はあまり知らない役立ちネタや申請書の書き方を超基本から解説、官公庁への申請であった話などは目を引くので、こういった他の人があまり出していない情報を提供していくといいでしょう。

Point! ブログはホームページ集客一番の武器。最低でも週に2~3回は更新しよう!

行政書士マッチングサイトの利用

ホームページやセミナーでの集客は金銭面でのコストパフォーマンスがいいものの、これらにかかる時間的なコストが非常にかかり、かけたコストに対してのリターンが読めないことも不安材料の一つです。そこでお勧めしたいのが行政書士マッチングサイトの利用。マッチングサイトとは、行政書士の仕事を依頼したい人が依頼内容にあった行政書士を探すことができるもので、ここに登録しておくだけで顧客のほうからアプローチがあるという仕組みになっています。時間的なコストは初期登録とアピールポイントのメンテンナンス程度のため他の集客と比べ非常に少ない負担で、金銭的なコストも月額制・成功報酬制など自分の集客したい顧客の数や経営状況に合わせてマッチングサイトを選べます。集客にぜひ利用したいシステムです。

Point! 効率良く新規顧問先を獲得するためにマッチングサイトを活用してみよう!

費用対効果の高い集客をしよう

登録するだけで顧問先の依頼が届くサイト「ミツモア」とは?

行政書士として安定した収入と成功を収めるために一番必要なことは「集客」です。でも、行政書士の勉強を継続しながら集客のノウハウを集め、実行していくのは至難の業。実際に行政書士の登録者抹消(≒廃業)は年間1,700件以上に及び、仕事は増えているものの競争も激化していることが伺えます。ですので、先述したマッチングサイトは時間・金銭の両面からみても、これから最も効率のいい集客方法として注目され始めています。

行政書士マッチングサイトの一つ『ミツモア』は、開業したての新人行政書士でも非常に利用しやすいサービスです。新人行政書士でも十分に収入を得られる可能性があるフィールドです。新しい集客方法の一つとして、ぜひ登録してみましょう。

実際に「ミツモア」を利用しているプロの声

 

川越相続行政書士事務所 – 埼玉県川越市大字古谷上

『ミツモアのサイトがあるのを知り、新規の顧客獲得の一環になればと思い登録しました。実は、このようなマッチングサイトがあるのを初めて知りました。困っている人と、解決できるプロを結びつける場があるのは、とてもすばらしいと感じています。登録して早々に一件成約できたんですよ。良いと思ったのは急ぎで探している方に、ピンポイントでアプローチが返せる所。そのせいかトントン拍子に話が進みました。専門外の案件に巡り会えるのもこのサイトのメリットだと思いました。良い経験になったのも嬉しいですね』


写真はその場で納品OK! 撮って出し技術は、プロとしての自覚から生まれる

2019/07/24
鈴木英隆 - 東京都板橋区
カメラマン歴10年以上のベテラン。グラビア専門のスタジオで2年間アシスタントとしてレタッチ業務を中心に従事。スタジオ独立後プロデビュー。「絵作りは現場でつくる」をコンセプトにし、基本できるだけ写真はレタッチなしでの当日納品。速報性が必要な撮影現場で重宝され、その早い納期が定評で2017年HP開設に至る。
カメラマン歴10年以上のベテラン。グラビア専門のスタジオで2年間アシスタントとしてレタッチ業務を中心に従事。スタジオ独立後プロデビュー。「絵作りは現場でつくる」をコンセプトにし、基本できるだけ写真はレタッチなしでの当日納品。速報性が必要な撮影現場で重宝され、その早い納期が定評で2017年HP開設に至る。

秋のイベントシーズンを迎え、ミツモアサイトでもプロのカメラマンに依頼したいという案件が増えてきています。ミツモアには、多くの個性的なプロカメラマンが登録してくださっていますが、その中でも「撮って出し」ができる高い技術力で幅広い支持を得ているのが鈴木英隆カメラマンです。ミツモアでは、ブライダル・ピアノの発表会からセミナーの撮影まで、様々なジャンルで案件を獲得されています。

さまざまな案件の依頼があることがミツモアの魅力。

ブライダル、ピアノの発表会、セミナー撮影、プロフィール撮影と仕事の幅が広がります。

撮って出しの技術力! その場で納品できるので好評

「撮って出し」とは、撮った写真をその場で納品できること。これは、たとえばカメラの持ち出しが禁止されている広告イベントや、すぐに画像を見たい建築現場などで特に歓迎されています。今回のミツモア通信では、この鈴木カメラマンに迫ります。

鈴木カメラマンの建築現場の画像は構図もしっかり。撮ったらその場で納品できるので好評 鈴木カメラマンの建築現場の画像は構図もしっかり。撮ったらその場で納品できるので好評

ミツモアの他とは違うプラットフォームの仕組みに驚きました

Q, 鈴木カメラマンがミツモアに登録したのは4ケ月前です。きっかけは何でしょう?

プラットフォームのサイトは、すでに他にも登録していました。ミツモアさんのことを知ったのは検索です。ちょっと他とは違うなと思い登録しました。

Q ミツモアを使ってみていかがですか?もう成約した案件はありますか?

いいところは、さまざまな案件の依頼があることですね。仕事の幅が広がります。初仕事は、ブライダルの写真撮影でした。その後も、短期間で、ピアノの発表会、大規模会場でのセミナー撮影、ビジネス用のプロフィール撮影、学生団体のパーティーなど、いろいろなお客さまの案件を受注できました。

また、見積もりを出すのが5名までというのも使いやすいですね。ただ逆に5名という少人数での競合になることから、見積もり額は迷いますね。

Q 鈴木さんの場合、見積もりはどうやって決めるのでしょうか?

これは一般的な話ですが、昨今では、カメラの性能があがったころから、いわゆる駆け出しカメラマンが増えたと思います。そのため、安くてもいいからとにかく仕事がしたいという考えの同業者が増え、カメラマンの依頼相場が値崩れを起こしている気がします。

僕の場合、お客さまのほうで“この値段でどうですか?”という差し値を提案された場合は別ですが、プロカメラマンとしての自信と誇りがありますから、同業者の迷惑になるような見積もりはしていません。

そうですか。プロカメラマンとして譲れない一線があるのですね。

モデルルームの撮影画像。自然な感じで素敵です。 モデルルームの撮影画像。自然な感じで素敵です。

補正に頼らない技術力が僕の原点。撮った瞬間が最高の写真です

Q 技術の高さに定評がある鈴木さんですが、どのような修行をされたのでしょう?

僕の場合、最初はグラビアカメラマンのアシスタントとして、レタッチの仕事をしていました。レタッチというのは、カメラで撮影したままの状態から、写真を修正したり、カメラマンのイメージにより近づけるよう、パソコン上で行う修正作業のことです。今は、撮影した写真を持ち帰ってこのレタッチで補正してからお客さまに納品するというやり方が一般的なんです。そのレタッチの仕事を3年ぐらいした後に、カメラマンとして独立しました。

Q なるほど。鈴木さんは、その場で納品されていますね?

はいそうです。現場で絵作り(出来あがりの画像)ができることが、僕の最大のセールスポイントです。たとえば、モデルさんなどの撮影で傷を消したりする場合を除き、僕は、撮った瞬間が最高の写真というスタンスで臨んでいます。その場は不完全な仕上がりでも後で補正すればいいか…では、プロの仕事ではないと思っています。

Q 補正の必要のないほどの完成度だということですね。そこに至るまでにはどれぐらいの経験が必要でしたか?

センスもあるでしょうが、とにかくたくさん撮影することですね。僕の場合も、さまざまな場所や条件で撮って腕を磨きました。自然光ならこんなイメージ、こうライティングをこうしたらこんな感じになるなど。

写真の補正をしなくても見た目通りの写真が撮れるように、いろんな場所や条件で写真を撮りましたね。練習の一環として、カメラについているモニターを隠して撮ったりもしました。普通、モニターで確認しながら何枚も撮って写真の完成度を高めていくのですが、僕の場合、モニターを見なくても色とか明るさの数値だけで、写真の出来あがりが判断できます。

実は、以前のレタッチの仕事経験が、カメラマンになった今、生かされているんですよ。色合いのしくみを熟知していますから、カメラでの設定具合が自然とわかる感じです。

Q とてもすごい技術ですね。それで初めて一人前だと…。

プロカメラマンとして食べていくと決心した時から、技術だけは誰にも負けないようにと思っていましたから。それか、先輩に怒られたり、失敗しながら、ようやくプロとして自信がついたという感じです。

Q どんな失敗をされたんですか?

学校の運動会の写真を依頼された時のことです。お客様としてはフォーカスなどしなくていいから、たくさんの生徒さんを映してほしかったのに、僕は自分の個性で撮ってしまったんです。現場ではお客さまの要望がすべて。現場の空気を読むことが大切だったんだと反省しました。

Q 撮って出しができることの最大のメリットは何でしょう?

撮影データの持ち出しができない現場では絶対必要です。以前、ミスユニバースの撮影の仕事をやったのですが、撮影したらその場で保存してある撮影データをカメラから抜いて渡すんです。きっと、加工などをしてはいけないなどの規定があるのでしょうね。それと、企業のパーティなども、すぐに欲しいと言われました。その場でUSBに移して納品しました。細かく確認することがないので撮影時間がオーバーしません。2時間で撮ってくれと言われたらきちっと2時間で終了できます。

 

自然光の中でモデルさんもいい表情に。 自然光の中でモデルさんもいい表情に。

これからも、いろいろなお客さまと仕事をしていきたいですね

Q 他にプロならでは、というものはありますか?

やはり、所有しているカメラですね。最高クラスのニコンD5を使っていますし、ニコンのNPS会員1にもなっています。機材に頼るというのではなく、プロとして当然だと思っているからです。極端な話、スマホで撮影したらがっかりするでしょう。お客さまにも納得してもらえるように、カメラやレンズの情報は、きちんとHPにも明記するようにしています。

*1:プロフェッショナルフォトグラファーを対象にサービス・サポートを提供するニコンの会員組織。会員になるには、NPS会員資格を1年以上保有する1名以上の入会推薦者がいること。撮影を生業としている個人であること。ニコン製一眼レフカメラ3台以上、かつニコン製交換レンズを5本以上所有していることなどの厳しい審査がある。

Q 撮る上で、好きなジャンルなどはありますか?

ライブ感とスピード感が必要な、ニュースやスポーツなどは興味がありますね。人物を撮るのも大好きです。とにかく、現場にいたい。カメラを構えていれば幸せなタイプなので、いろいろなお客さまと仕事がしたいですね。

Q 最後にメッセージをお願いします

これはミツモアさんに限らず、プラットフォームを運営する側へのお願いにもなります。これからも、このようなサイトに登録するカメラマンが増えると思いますが、あまり敷居を下げないでほしいと感じています。カメラの性能がアップしても、プロで一生食べていこうとする人間とそうでない人とでは差があると自負しています。線引きが難しいでしょうが、たとえばランク制なども含めて一考してくれるとありがたいですね。

加工しなくても、歯科医院の清潔なイメージの写真撮影がオーケー。 加工しなくても、歯科医院の清潔なイメージの写真撮影がオーケー。

 

 

大きな構図もおまかせ。自然光を活かし、しっかりとイルカのベストショットを捉えます 大きな構図もおまかせ。自然光を活かし、しっかりとイルカのベストショットを捉えます

 

取材者の知らないカメラの知識や技術をていねいに説明してくださった鈴木様、ありがとうございました。とても勉強になり、また、鈴木さんの技術力の高さを改めて認識したインタビューとなりました。ご協力をありがとうございました。

ミツモアは、プロの皆さまと、そのワザを求めているお客様を結ぶお手伝いをいたします。そして、みなさまと一緒に成長していきたいと思っております。鈴木さんのようなカメラマンに依頼をなさってみたい方は、ぜひご依頼をお待ちしております。