2019/12/06

ミツモアは地域の専門家を探せる日本最大級のプラットフォームサービス。ご登録いただいている事業者様が依頼に対して良い見積もり応募/提案をしていただき、依頼者様のご要望を満たす活躍をしていただくことを最優先にしています。

依頼者様と事業者様が相互に満足する関係作りのあと押しをすることが、ミツモアの事業の根幹にあります。

そこで今回、ミツモア大学ではweb上の枠を飛び出して、ご登録事業者様に直接ご意見を伺う座談会を開催しました。第1弾ではミツモアでのご活躍目覚ましい税理士法人様をお招きして、ミツモアへの率直なご意見と評判/評価をお伺いしました。

税理士登録が多いと評判のサービス。少ない工数でクロージングしたいと登録

▼ゲスト 大下 宏樹さん(税理士法人better 代表) 佐久間 将司さん(EMZ総合会計事務所 代表) 風見 智恵さん(EMZ総合会計事務所 アソシエイト) ▼モデレーター(司会) 池嵜 晃太 (ミツモア 『ミツモアメディア』編集リーダー) ▼ファシリテーター(――) 花田 真仁(ミツモア 広報・『ミツモア大学』編集統括)

 

司会:それでは、「ミツモアは税理士先生の活躍を後押しできているのか」。

これに沿っていくつか質問をさせていただきたいと思っております。

それではさっそく1つ目の質問ですが、「ミツモアに登録したきっかけ」をお聞かせいただけますでしょうか?

 

税理士法人better・大下さん(以下敬称略、大下):私ども税理士法人betterは、設立が2018年の12月でして、設立当初は、広告などの営業活動を何もしない状況でした。しかし、ある程度自分たちのフローが固まってきた時期にミツモアのことを知りました。

何かしら新規営業や販売促進の策を打たないと、とネット検索していたところリスティングでミツモアの広告が表示されたと記憶しています。拝見したところ、依頼できるカテゴリ/サービスが充実していて、すごく多くの見積りを依頼できるサイトだとわかりました。

詳しく見ていくと、税理士の登録がすごく多い印象を受けたので、まずは試しに登録をしました。そうしたらすぐ案件を獲得できたので驚きました。「これはすごい」「活用しない手はない」と感じましたね。それ以来、今もすごく利用させていただいています。

司会:ありがとうございます。なるほど、検索画面に出てくる広告でお知りになった。

主に相続税を専門とする税理士法人betterの代表 大下 宏樹さん。徹底的に業務効率化を図ることで相続税申告に定額制を導入し、依頼者の不安を解消しようと業界改革に奮闘中。マーケティングの知識も豊富

 

――わかりました。ありがとうございます。EMZ総合会計事務所の佐久間先生はいかがですか?

EMZ総合会計事務所・佐久間さん(以下敬称略、佐久間):私はですね、2009年の3月にEMZ総合会計事務所を始めまして、設立から現在、10年間弱くらいですかね。

個人的な紹介だとかでお仕事を取ってきていて、俗人的になってる仕事の取り方だとか、仕事の進め方に対してすごく問題意識を持っていました。ところが、税理士の世界自体はすごくアナログで古くさい業界のままです。

一方でお客さんの意識とだいぶ違う、世の中のニーズにきちんと向き合っていきたい、という課題をどう解消したらいいのかなと思っていました。

どういうカタチでミツモアさんを見つけたのかは定かではなくて、僕のおぼろげな記憶だと、確かEメールで案内が来ていて、「こんなサービスがありますけど」ってうちのスタッフが教えてくれたはずです。

ミツモアの案内を見たときに、「これなんだな」って思ったんですね。どこに共感したかというと、お客さんのニーズが顕在化していて、かつ、ある程度の予算感みたいのを持っていて、あとは成約に向けて、クロージングを少ない工数で進められる。今の世の中で求められているものって、ミツモアさんのようなサービスなんじゃないかなと思いましたね。

特にスマートフォンでいろんなことが検索できて、行動することができる時代が進んできていましたから、こういうサービスを使いこなせると将来生き残れるのかなと思って、積極的にやるべきだと思って始めたんですね。

もちろん今も個人的なつながりでお客様をご紹介いただくケースはありますけれど、それはもう副次的なものになっています。私たちの事務所も主力の集客はネットになっています。その中でデジタルマーケティングが本業ではない私たちがSEOとかリスティングとか、「成約するかどうかわからない施策に対して自前でやるのはあまり得策じゃないな…」というふうに思っています。だから、成約に近いお客様にアプローチできるミツモアのサービスに対してはものすごくリスペクトしています。

司会:ネットで集客する時代の中で、かなりコストパフォーマンスが期待できるという事ですね

佐久間:そう思いますね。私が税理士法人を始めたときなんかは、ちょうどアナログな税理士紹介サービスみたいなのが勃興した時期でした。最大70%ぐらい紹介料を払うみたいなカタチになっていました。

成功報酬が高い低いって議論すべきじゃなくて、そうまでしないと仕事が取れない業界になってしまったということが問題であると思ったほうが正しいと私は思っています。だけど、そうしたアナログな税理士紹介サービスでさえもうまく活用できてない業界の中で、今後の消費者のニーズと、税理士さんの仕事を探すための能力と時間の間でバランスを図るのは何なのかって言ったら、やっぱりミツモアさんのようなサービスしかないんじゃないかなと。

――:ありがとうございます。一定数、評価をいただいているのかなというふうに感じております。嬉しいご発言だったかなと思います。

確定申告、経理アウトソーシングを軸に、海外進出、海外資産のサポートまで、個人、法人、ベンチャー、上場企業を問わず税務サポートをするEMZ総合会計事務所の代表・佐久間将司さん

司会:それでは次の質問にまいります。

「登録前、ミツモアの評判はどのように聞いていましたか?」

もし何か評判を聞かれていたらお伺いしたいと思っております。

大下:私はミツモアに税理士登録する前に、実際に自分で、カメラマンサービスで発注を出して、実際撮ってもらいました。一度依頼者として利用して、すごく簡単に見積もりが届いて、こういったサービスの流れなんだっていうのを確認して、すごくわかりやすいというか、直感的だしすごくいいサービスだなと思っていました。

さっき佐久間先生がおっしゃっていたようなアナログな税理士紹介サービスは、顔が見えないというか、一旦会社を通して仲介した後に依頼者とお話しするんですけど、なんかよくわからないというか、向こうの中で勝手にお客様とやり取りをされているのがすごい不満を抱いていました。

ところがミツモアだと依頼者と税理士が直接メッセンジャーでのやり取りができるし、(メッセージの文面とはいえ)すごくお客様の顔が見えて、かつCPAもパフォーマンスがいい。すごくいいサービスだなと思って登録して、現在もフル活用しています。

司会:ありがとうございます。

佐久間:私は全然存じ上げなかったです。ミツモアに登録したのは…、

EMZ総合会計事務所・風見さん(以下敬称略、風見):昨2018年の秋ぐらいですね。

佐久間:8月から10月くらい…秋くらいに知ったんですよね。それで…その時に比較検討した他社さんのサービスはなかった…?

風見:なかったですね。

佐久間:比較対象となる他社サービスはなかったです。なので、これは面白いなぁと思いました。別に評判がある、なしに関わらず採用したかもしれない。

司会:特に事前の評判はなかった。承知しました。

使えば使うほど依頼が増えている。もはや収益源としてなくてはならない存在

司会:では続いての質問です

「実際に登録・利用してみて評判・評価は変わりましたか?」

佐久間さんの場合ですと、新しく評価が生まれたというカタチになると思いますが、

これについてもお一人ずつお伺いできればと思っております。

大下:我々としては、設立1ヶ月後ぐらいに利用を始めたので、そこから変化というか、ここでお客様の半分くらいは常に取らせていただいているというところなので、収益の源というか、ミツモアさんなしではちょっと考えにくいですね。我々は相続専門の税理士でして、基本的にその都度ご依頼をいただく仕事の進め方になります。もちろんご紹介いただいたりとかSEOで自社ホームページからお問い合わせいただいている方はいるんですが、それ以外だとミツモアさんからしか集客を行なってていない状況です。

――なかなか相続税申告のご依頼を、営業をかけて取るっていうのはむずかしいですよね。

大下: 相続税申告のセミナーを開いたりとか、葬儀屋さんに広告を置いてもらったりとかいろいろあるんですけど、すぐに成果も見込みにくい。我々は通常の税理士法人と違って相続税申告の定額制という、ちょっと普通の税理士さんとはまた違うビジネスモデルを採用しています。システムを使うことでお客様とのやり取りを効率化しているのですが、システム自体はミツモアが使えるような方でしたら十分対応ができるものです。相続税をご依頼される方は年齢的に上の方が多いのですが、その面でもミツモア経由のお客様と非常に親和性が高いと感じています。

――相続税申告をご依頼される方は比較的年齢が高いために、どうしてもITリテラシー的に御社のシステムを使いこなすのがむずかしい、というご懸念があったということでしょうか?

大下:依然はそういうイメージだったのですが、ミツモアさんで見積りを出せている人なので、メッセンジャーでのやり取りなども苦にしていない様子です。「資料をPDF化してメッセンジャーで送ってください」などのこちらのリクエストにも難なく対応してくれます。「そういったことができる方」っていうフィルターを通すという意味でも、ミツモアはすごくいいなぁと感じています。

――ミツモアを使いこなせていることでフィルタリングができている?

大下:ITリテラシーが高いということなのかなと。

――なのかもしれないですね。

司会 :ありがとうございます。佐久間さんはいかがでしょうか。

佐久間:評価が変わったということではないんですけど、使えば使うほどと言うか、登録から時間が経てば経つほど依頼の件数が増えているので、世の中がミツモアのようなサービスを求めてたんだろうなぁ…ということは肌感覚としてもあります。

あとは今までの仕事の取り方からすると、要はクロージングのために割いてきた時間と労力の分と、いわゆる広告宣伝費の部分はコスト削減できるので、受託できる案件自体が仮に低い金額であっても収益が確保できるので、評価としてはすごく高いですね。

司会 :ありがとうございます。勉強不足で恐縮ですが、クロージングの時間と労力の削減ができるというのは主にどういった部分でしょうか。

佐久間:税理士業務というのは本当に要件定義に工数が掛かるんですよ。当たり前ですが、お客さんは税に関して知識不足です。まあ、知識不足だからご依頼されるんですけど。一方で税理士側も専門用語を使わないといけないところがあって、その橋渡しをするのに最終的に契約書に落とし込まなければいけない。ただ契約書なんて、お客さんは10人に1人くらいしか読まないので、読まない人向けに、じゃあ何のサービスがいくらなのかを説明して、必要か否かの要件の確認を何度もする必要がある。そうした要件を定義するまでの工数がミツモアを使うと削減できるので、いいサービスだと思います。

司会:弊社としても確かにそうした部分を明確にしたうえで事業者の方にご依頼をお届けしたいと思ってるので、実際に効果を感じてもらえているのはありがたいですね。

佐久間:そう思いますよ。

EMZ総合会計事務所 アソシエイト・風見 智恵さん。ミツモアの担当として依頼様のご要望を直接見聞きした経験からの貴重な意見多数。ご依頼内容から真のインサイトを見つけ適格な対応を心掛けている

司会 :ありがとうございます。では次の質問に。

「他に、ミツモアに登録前と登録後で変化したことはありますか?」

今は業務のところにフォーカスを当てさせていただきましたが

もし、今おっしゃっていただいた以外のところで何か変化がありましたらお聞かせください。

――具体的に言うと、売上が上がったとか、そういうお話しがあれば。

風見:そういう意味では個人のお客様が増えたかな。

佐久間:そうかな。まあ、ミツモアさんからご依頼いただいた個人事業主のお客さんから、別の個人事業主のお客さんを紹介いただいたことかな。

――それは同業のお友達を紹介してもらったということですか?

風見:個人事業主の方は、同じ個人事業主のお知り合いがたくさんいらっしゃるので、ご紹介いただけることは増えました。

――大下さんいかがですか?

大下:登録が設立とほぼ同時くらいでしたので、そういった意味ではあまり変化というか…ミツモアさんなしでは今の現状が考えられないですね。

司会:これからも利用していただいて、いい意味で変化がない、とおっしゃっていただくのがいいのかもしれないですね。

――思いもよらなかった相談がミツモア経由であったとか、そういうのって思い当たることってありますか?

大下:相続税の申告なんですけど、お客様と一度も会わずに電話等でやり取りし、最終的な申告のところまで会わないケースもありました。

ミツモアはメッセンジャーでのやり取りがすごく円滑にできるので、お客様とのコミュニケーションの負担が減ります。我々は業務効率化の一環として一都三県を対象に業務エリアを限定しているのですが、依頼者さんのところに面談に行く回数が減ったり、メッセンジャーで資料を送ってもらったりで済むのですごく楽ですね。

――メールだと「あのメール、どこに行ったかな」みたいな探す手間が増える可能性がありますけど、一つの案件に対して、ずっと同じスレッドでやり取りできますよね。

大下:すぐにさかのぼれるっていうのがすごくいいですね。

これだけ毎日案件が来ることに驚いています。他の営業方法ではあり得ない

司会 :ありがとうございます。では次の質問にまいります。

「ミツモアに登録してよかったと思う点」

若干ここまでの話と重複するということがありますが、お二人、何かございますかね?

風見:これだけ毎日案件が来るっていうことに驚いています。他の営業方法ではあり得ない。お客様のニーズは固まっていますし、やって欲しいことが細かく区分けしてくださっているのでありがたいです。依頼内容があいまいなお客さんも当然いるんですけど、依頼ニーズは高まっているのでやっぱり話は早いです。あと、お客さん側もLINE連携できるのがすごくありがたいというご意見が多いですよ。

――LINE連携するのが使いやすいというのは、具体的にはどういう点でしょうか?

風見: メールを打つとなるとどうしても構えてしまうので、忙しいなかで文章を考えるのが億劫になりがちです。でもLINEでならサッと2~3行で返せるっていうのはありがたいようですよ。

――たしかにメールは件名やあいさつ文を付けたりと気を遣いますからね。他にお客様からと接していてミツモアが話題になることはありますか?

風見:じつは、弊社は別の相見積サイトさんも使ってるんですが、そちら経由でご依頼いただいたお客さんに「新規営業にはミツモアというサービスが使いやすいですよ」とオススメすることがあります。ご紹介すると、「あ、使います!」と言っていただくことが多々あります。カメラマンのお客様とお話しするとき結構いい話題になるので。

――そういうクチコミ効果も生まれているんですね。ありがたい話です。

風見:全然違う営業の方に「こういうサイトありますよ」とご紹介することもあります。

――ジャンジャンお勧めしててください(笑)

風見:ジャンジャン勧めてます!

――ありがとうございます。

司会:ありがとうございます。極めてミツモアと親和性の高いお客様にミツモアを勧めていただいているわけですね。

風見:はい、お会いして勧めているのでほぼ成約に近いですよね(笑)

司会:ありがとうございます。その辺の営業コストを削れるというのを評価していただけるのは我々としてもありがたいですね。

大下様は特にないですか…?

大下:そうですね(笑)

司会:じゃあ、1回お休みいただいて(笑)

では次の質問です。

「ミツモアと他社を比較して、いい点・改善点」

ちょっと風見様のほうからも他社様のお話ありましたけど、もし他のサービスと比較してここが良いとか、あるいはここがもう少し良くなればいいのにな、というポイントがあれば教えていただけますか?

――そもそも他社のサービスを使っていますか? というところがあると思うのですけど、いかがですか? 使っていらっしゃいますか?

風見:使ってはいますが、ミツモアさんは圧倒的に案件数が多いです。案件数はたぶん一番じゃないかなと思います。それと、やっぱりお客様のニーズを細かく聞いてくださっているので、そこもすごく使いやすいです。

司会 :ありがとうございます。

大下:税理士紹介サイトに登録したことがあるのですが、実際そこから流れてくる案件が、ちゃんと公平に送られて来るのか、すごい疑念がありました。

風見:それはあると思いますね。

大下:お客様とやり取りが明確になっているので、変な不信感みたいなのがまったくない。5人の中から外れても、他の方の金額などが見えるので、自分が選ばれなかった理由も振り返ることができます。

また、選ばれなかったユーザーさんに他社に決めた理由も質問できるじゃないですか。すごく使いやすいですね。

――そうですね。成約にならなかった理由もぜひ聞いてみて欲しいです。大下先生のようなご利用の仕方はすごくいいかなと思います。

司会:ここは直して欲しいという改善ポイントはありますか?

大下:ミツモアさんでかなり入札はしてるので、実際の消費ポイントと成約金額や成約数などの管理ができたらいいなと思っています。1件当たり、今CPAいくらになってるのかであるとか、ミツモアさんからどれだけ応募して、どれだけ売上が立って…っていう数字の見える化ができたらすごくありがたい。実際今は手計算でやっているので。

――統計情報のようなものが欲しいということですね。

大下:そうですね。自分たちは別のExcelで集計しているので、そういうのができたら大変ありがたいです。

司会:理想像としては、ダッシュボードみたいな感じで一覧で見れるようなものなのか、あるいは定期レポートみたいなのがメールで届くみたいなのか、どちらがイメージに近いですか?

大下:ダッシュボードみたいなところで閲覧できたほうがありがたいですね。

司会:わかりました。貴重なご意見ありがとうございます。

佐久間さんは、何かございますか?

佐久間:他社比較は…。もうミツモアさんの使い勝手が圧倒してるから。

――ありがとうございます。

佐久間:先ほど大下先生もおっしゃいましたけど、間にフィルタリングが入ってないっていうのは、ものすごく透明性が高くていいと思います。

風見:みんな公平ですもんね。「早い者勝ち」ってとこだけなので。

佐久間:そこはもう圧倒しちゃっていますよね。

改善点って言うと、お客さんが何の仕事を依頼したいのかっていうときの、誘導をもうちょっとうまくしてもらえると…。

風見:質問がけっこうね…。

佐久間:税理士の感覚だと半分くらいが変なんですよね。(一同笑)。そうすると、変っていうことは、どうしても成約までのクロージングの時間とコストがかかってくるので、そこはもっと精緻にしていただきたい気がしますけどね。

大下:むずかしいですよね。

佐久間:そこのせめぎ合いですよね。

風見:あんまり質問が多いと離脱しちゃいますしね。

――そうですね…そうかもしれないですね。実際、先生方の自社ホームページからお問い合わせがあった場合には、その仕分けってどのようにしていらっしゃいますか? 当然、税に対して知識がない方がご依頼されると思うので、いつもそのせめぎ合いというか…。よくわからない依頼をどう可視化していくかという課題感を弊社は持っております。同じ課題感を先生方も持っていらっしゃると思いますがいかがでしょうか?

佐久間:最終的に税理士側が主導して、何をやりたいのかっていうのを特定していかないといけない。要件定義ができてない限りは、たぶんやることは一緒になっちゃいますよね。

――我々ももちろんこれから磨いていかなければいけないと思っているんですが、例えばメッセンジャーの中のやり取りで要件定義していくっていうのはむずかしいですか?

佐久間:メッセンジャーだけではどうしても、やはり限界がありますよね。

大下:まあ、電話番号を表示されている依頼者様は電話をかけます。すぐに日程調整して、対面ミーティングで要件定義するのが一番スムーズかもしれません。

佐久間:そこは、口頭だと簡単なんですが、メッセンジャーだけだとむずかしい面がありますね。

風見:文面だけでやり取りを完結するとなると、もうちょっと工夫や改善が必要かもしれないと感じます。

――わかりました。

大下:工数を大きく削減するという意味で言うと、文面での解決が理想とするところかなとは思います。

風見:まあ確定申告は、対面なしでも要件定義ができると思います。相続申告となると、個別に異なる要望がある話なのでむずかしいと思う。多分、確定申告は適切な質問で要件の振り分けができると思うので。我々税理士側の手間もたいぶ減りますし、お客様としても同じことを聞かれなくて済むから、成約につながりやすくなると思います。

クラウド会計もSNSもフル活用してスピーディで明確な対応を心掛けています

司会:ありがとうございます。今の質問と近いんですけど、

「本気度の高そうな依頼はどう見極めていますか?」

今のお話の中で、話し損ねたような部分があれば、お聞かせ願えればと思います。

大下:ミツモアの依頼内容には「プロの方へのメッセージ」という自由記述欄がありますので、ここにコメントがついている人は、ちょっと本気度が高いのかなという感じですね。

風見:まあそうですね。自分の状況を理解したうえで、何をしてほしいかっていうのが書いてある人は本気度が高いと感じます。

佐久間:コメントに記載するくらい明確に、自分が折り合いしたいことは、ある程度分かっているのでしょうね。

――ちなみに、ミツモアからお届けしている依頼内容で、自分の依頼が分かっている方っていうのは、受け取ったときにわかりますか?

佐久間:大体わかる。

風見:適切なとこに、きちんとチェックが入っていますからわかります。

大下:矛盾がないんですよ。

風見:そうなんですよ。わかりやすい例を挙げますと、給与所得しかないのに記帳代行にチェックが入ってるみたいな矛盾が全くないということです。

――こういう質問だったら、こういうのはあり得ないということが専門家の目で見るとわかるということでしょうか?

風見:はい。つまり、依頼者さんがきちっとわかってらっしゃるかどうか、きちんと見ればわかります。

佐久間:まあ、知識がないからこそ税の専門家である税理士に依頼するわけですから、ある程度の矛盾はしかたがないと思います。

その前提で、そういう依頼者さんがうまく答えられるようにしていただけると、税理士のほうも見積もり応募しやすくなりますね。質問への答えの内容が適切でない依頼内容ですと、「あまり応募しないほうがいいかな」とブレーキが働いてしまうかもしれません。

風見:どちらかというと、ミツモアさんからの質問が税理士寄りになってしまっているのかもしれないですね。税理士側は専門用語に慣れていますが、税の知識がない依頼者さん側からするとすごく専門用語が多くて分かりづらいのかもしれない。

司会:依頼してくれる方に向けて、税務リテラシーをレベル分けして、質問とかができたらいいのですが…。

風見:できたらなおいいのかもしれないですね。でも税務リテラシーなんてわからないですよね。

佐久間:むずかしいかもしれないですね。

大下:「あなたは税務が得意ですか?」って聞かれても、答えようがないですよね。

風見:そもそも、聞けないですよね。

大下:ミツモアはUI/UXが高いので、依頼完了までサクサク行ける。私も実際にカメラマンさんに撮影依頼を出した時に「これでほんとに見積が取れるのかなぁ?」と思うくらい簡単でしたから。それでちゃんと見積もり応募が来るんですよ、ミツモアは。そこがよさでもあるので、そういう利点をなくしてはもったいないですからね。

風見:そうなんですよね。

――ある先生のご意見として、「電話番号が記載されてる方、これは本気度が高いと考えてる」というご意見もあったんですけど、その点はどうですか?

風見:あんまりそうは感じないです。

佐久間:それ怪しいな。

――EMZ総合会計事務所様でお使いになっていて、そういう感覚はないですか?

風見:そうは感じないです。電話番号が書いてなくても、きちんとお仕事を成約できていますから。

佐久間:電話番号が記載されていたからといって、別に「絶対お願いします!」という感じではないですね。ちょっと聞いてみたいって人が意外と多いので。

風見:価格だけ早く知りたくて、電話番号も入れてみたって人も当然中にはいるので。基本的にチャットで完結を目指しているので積極的に電話はしていません。お客様が事務所にお越しいただいたときに、「他のところはいきなり電話がバンバンかかってきて、怖すぎて逆に引いちゃって、御社にしました」と言ってくれた人もいたくらいです。そういうお客様もいるので、まあ人によりけりだと思いますね。

――対面のやり取りを希望されるご依頼者さまと、web上のやり取りで完結したいというご依頼者さまとでは、どちらが多い感じがしますか? 

佐久間:対面希望が圧倒してますね。

大下:私の感覚でも対面希望が多いですね。

佐久間:もしかすると、「税理士とは対面で打ち合わせするのが常識だ」みたいな感覚を、皆さんお持ちなのかもしれないと感じます。

大下:その意識は相当強い。

風見:多分強い。

佐久間:あとは「お金のことだから、会わないで依頼するなんて不安」みたいな心理もあると思います。

風見:会っておいたほうがいい。金額が上がれば、なおさらでしょうしね。

――逆に税理士先生からすると、対面である必要ってどの程度の割合ですか? これだけデジタル化が進んでくると、わざわざ会うのは非効率な部分もある気がしますがいかがでしょうか?

大下:対面のほうがクライアント様との信頼感の醸成という面では有利ですね。付け加えると、相続税の申告後に別のご依頼をいただくケースも、対面したお客様のほうが多いと思います。メッセンジャーのやり取りだけだと、もう申告終わったらそれでおしまい。その次のご提案をメッセンジャーで案内しても、「もういいです」みたいな方は多いですね。

――大下先生の専門の相続税申告ではどちらも必要ということですね。

佐久間:単発の依頼を効率よく数多くこなしたいか、それともクロスセルとかアップセルを目指したいから、もう少し対面を増やしたほうがいいという考えもあります。それはもう事務所の方針だと思います。

――よく分かりました。そこの見極めが、イコール経営なのかもしれないですね。

佐久間:そうですね。

税理士の先生がどのようにミツモアを活用しているのかを伺う座談会。今後のサービス向上につながる非常に示唆に富んだご意見を数多くいただきました

司会:では、次の質問にまいります。

「応募する際に、意識していることは?」

――企業秘密に近い部分かと思いますので大変恐縮ですが、お話しいただける範囲で教えてください。たとえば、大下先生は相続税申告の専門家でいらっしゃるので、一言、「お悔やみ申し上げます」というような気遣いの言葉を入れることで、ご依頼者様に与える印象が全然違うかなみたいなところもありませんか?

大下:そういうのも当然つけるようにしています。

それとは別に、相続財産加算方式で報酬を決めると、申告が終わらないと実際の報酬がいくらかが金額が分かない場合があります。

相続税の申告ではそうした価格が不明瞭なところが多いので、私たちはわかりやすい価格の明示のしかたをメッセージに書くようにしています。

――特に相続関係ですと、喫緊の課題といいますか、本当に心痛めていらっしゃるご遺族の方が、それでもやらなきゃいけないケースもありますよね。そうしたご依頼者様へのコミュニケーションって、かなりむずかしいのではないですか?

大下:さっきおっしゃられた、最初にコミュニケーションする場合は、お悔やみの言葉からスタートするのは当然と考えています。また、遺産分割とか、けっこうセンシティブな内容だったりすることもあります。たとえば、相続人代表の方がミツモアで応募してくださっていたとして、他の権利者様との兼ね合いもあったりします。ですから、あまりにご依頼者様だけに寄り過ぎないというか、公平な情報というのも、きちんとお伝えするようには心掛けています。

――ありがとうございます。佐久間先生は。

佐久間:我々の事務所の方針ですが、個人事業主様への確定申告と、法人様向けの法人税等の申告に完全にフォーカスしています。なぜ相続税申告をやらないかというと、別に種明かしをするわけじゃないですが、相続税って競争が激しいのです。ミツモアでもすぐに5つの応募枠が埋まってしまう印象です。

風見:早いですよね。

佐久間:早いですし、取れるかどうかちょっと分からないというのがあるので、確定申告と法人税の仕事にフォーカスするようにしています。コミュニケーションが長く続くのは非効率なので、メッセージ本数をなるべく少なくするために、これまでの実績や当社の強み、提案している業務には何が含まれていて、その作業の税理士報酬とその内訳を明確にするようにしています。少しメッセージが長いというご指摘も、たまにいただきますが(笑)

風見:1000文字超えると長いですよね。

佐久間:少ない回数で、終わらせたいので。

風見:依頼者様が不安や疑問に思わないように、できる限り明確にお伝えしているつもりです。

佐久間:あと、電話はするときとしないときがあります。ちょっと微妙な匙加減が必要になってくるので。

風見:なので、そこはちょっとうまく調整しています。

――ちなみに、法人ですと、設立のときは、当然顧問税理士さんがいらっしゃらないので好機というのはわかりますが、その他のご依頼もあるんですか?

佐久間:税理士さんの切り替えっていう依頼が結構あるね。

風見:今の税理士さんの報酬金額が高いからとか、そういうのけっこう多いですね。

――トリガーになりそうなのは、金額、あとは依頼者様が使っているITツールと連携できるかというお問い合わせもありますか?

風見:対応してくれないので切り替えを検討されるケースは多いですね。

――具体的に問い合わせの多いツールってどのようなものですか?

風見:「クラウド会計ソフトに対応してくれますか?」というご要望はよく聞きます。あとは急ぎの相談だったからLINEで質問したのに、返信対応してくれなかったという理由で税理士さんの切り替えを希望されている人もいました。弊社はLINEも対応しています。

――確かに、困っている経営者がすぐ解決したいと思っているのに、何営業日後に連絡しますとなるとスピード感が合わず不満に思うでしょうね。

風見:特に最近のベンチャー/スタートアップ企業はやっぱり皆さんSNSをフル活用していますので、我々税理士法人も対応できないと選ばれない時代になっています。

佐久間:逆に我々も楽ですけどね。いちいちメール開いて「お世話になります」からはじめなくていいので。

風見:内容がよくわからないときに、「写真撮ってLINEで送ってください」ってすぐ返せるので。

――ありがとうございます。ちょっと質問から話が逸れましたかね。

税理士業務の効率化も進んでいく時代。だから進んでミツモアを導入しました

司会:次の質問は「当初、成約しなかったものの、その後成約につながることはありますか?」。ちょっとニッチな話題ですけど。もし該当するような話題あれば、教えていただきたいなと。

佐久間:ないかな。

風見:ないかな。

――ないものは、ないですね。

風見:ただ、長い時間空いてから連絡来るってことは何回もありましたよ。通常、お伺いのメッセージを何回か送っても反応がないと、まあ一定期間でもうこの依頼はないかなって判断します。それが急に「以前、お見積もりいただいた〇〇ですけど、お願いしたいです」っていうのはチラホラ。

司会:そのケースは実際どれぐらい期間が空いてからやり取りが再開したんですか?

風見::3、4か月空きました。予想ですけど、夏ぐらいまでは、とりあえず予算が知りたかった。それが、いま確定申告時期が近づいてきたから、改めて「お願いしたい」というので復活したのかなと思います。

司会:そういうことですね。

風見:多分、「やばい!」って時期が近づいてきて、「あそこ安かったな」と思い出していただけたのかもしれないですね。

――そういうのは想定していなかったですね。結果として見込み客を獲得するマーケティングの役割を果たしたのかなと思うのですが、いかがでしょうか?

風見:なってると思いますよ。

司会:では次の質問にまいります。

「ミツモアに登録して、よかったという案件は?」

大下:ミツモアさんの場合、依頼者様のITリテラシーが高いことは分かっていましたから、やり取りがすごく楽だと感じています。

弊社は相続税申告専門なので、依頼者様に資料をお送りいただくことが多いんです。

今までは郵送してもらうか、場合によっては直接手渡しというケースが頻繁にありました。今は減ったのですが、ファックスも。

ところがミツモアのメッセンジャーは優秀なので、PDFファイルや写真も送れます。実際、ご依頼者様も皆さん送ってくださいますよ。

――特定のお客様っていうよりは、全体通してですか?

大下:そうですね。

――ありがとうございます。次が最後の質問なので、その前に、少しだけ脱線させてください。以前、EMZ総合会計事務所様にミツモア大学の取材をさせていただいた際に、仕訳をAIでされているとのことでしたが、改めてどのようなものなのか教えてください。

風見:はい。弊社は帳票の仕分け作業にAIを導入しています。全部が全部、人間と同じようにできるわけではないので、多少人の手はかかるんですけど、最初から最後まで人がやるよりは、作業工数が削減できます。その効率化できた分をお客様に還元して、記帳代行費用を抑えて提供しています。

――そういう最新のシステムをEMZ総合会計事務所様は導入されているということですか?

風見:そうです。

――それは、例えば、エクセルにまとめたものを読み込むのですか?

風見:そうではなく、資料をそのままスキャンします。

――スキャンしてAIが仕分けを判断してくれるんですか。凄い!

佐久間:作業効率は従来の5分の1ですね。

風見::今までは、人が領収書見て、一個一個入力していたのが、一瞬で終わります。

――仕分けが間違うこともあるんですよね?

風見:間違うこともあります。ただ、AIは学習して覚えさせていくことができるんですよ。

佐久間:かなり楽です。

風見:顧問先のお客様は登録しておけば、その費目になってくれるので楽ですよ。

――EMZ総合会計事務所様は最新ツールを導入するのも早いですね。ミツモアに登録されて使いこなすまでも早いと感じているのですが、そういう便利なもの、新しいものは率先して導入するというご方針を事務所全体でお持ちなんですか?

佐久間:ほとんどの仕事って90パーセント以上が、むずかしくない仕事なんですよね。そのむずかしくない仕事に対して、多くの労力をかけたくない。そこに労力をかけるのはビジネス的にはナンセンスだと思う。ツールで効率化できるのであれば導入します。

ただ新しいツールを導入すると、ある一定の慣れが必要な期間は当然ありますよね。ただ、遅かれ早かれ、導入のタイミングを来ると思っています。

税理士の仕事は、伝統的にアナログな部分が多かった。これからそのアナログな部分のデジタル化が間違いなく進んでいきます。依頼者様がどんどんデジタル化しているのに、受諾する税理士業界だけがデジタル化しないなんてあり得ませんよ。

ただ、先ほども申し上げたとおり、デジタル化して自分たちが仕事に慣れるのに相当時間がかかる。自分だけ慣れても仕方ないので、会社全体で環境を整えて慣れていく。慣れたうえで創意工夫ができる状況を作るのは、数年以上かかります。だから先行してやっておかないといけないなと、考えているんです。

――ありがとうございます。大下先生も、マーケティングの知識も豊富でいらっしゃるなと感じますが、市場戦略のような視点は強くお持ちなのではないですか?

大下:私も佐久間先生のお考えに共感します。じつは弊社も相続税申告をシステムで効率化するツールを開発しているんです。ですので、一般の税理士さんとは違う方針を取っているのかもしれないです。

司会:ちなみにこのシステムは、いわゆるオーダーメイドみたいなカタチで作られているんですか?

大下:税理士法人とは別で株式会社があるので、そこでエンジニアと一緒に作り上げています。

司会:なるほど。

大下:これから税理士がお客様から報酬をいただく際には、よほどの付加価値がないと選ばれないと思っています。なぜなら標準化できる作業がすごく多いので。今まではアルバイトの人を雇ったりしていた部分の効率化しかできてなかったけれど、これからは税理士業務自体の効率化もどんどん行なわれるでしょう。

時代の流れとして価格競争になるのは明白です。そうなったときに税理士側も何かしらの強みを提供できないと淘汰されていくでしょう。だからデジタル化も自分から進んで取り入れていかないと生き残っていけませんから。

――我々もそういう業界の皆様とお付き合いしていると思えば、もっともっといろんなことを磨いていかないといけないなと思っています。

司会:それでは最後の質問です。

「今後ミツモアに期待すること」

ちょうど税理士業界の展望を大下さんにもお話しいただきました、そういう部分も含めて、弊社に期待していただいていることがあれば、教えていただきたいと思います。

大下:純粋な期待という意味だと、テレビCMをやって今以上に認知を獲得して欲しいです。マスマーケティングはまだやられていないですよね?

司会:マスはまだ。

――やってないですね。

大下:ミツモアさん、すごいいいサービスだと思うので、ファイナンスの兼ね合いとかいろいろあると思うのですが、大大的にやっていただけたら、事業者としてたくさん依頼が来るので期待しています。頑張っていただけたらなと。サービス自体はすごいいいと思います。

佐久間:これまでお話ししたことと繰り返しになりますが、会わずしてとは言いませんけど、会うとしても、少ない工数で仕事が成約する世界観を作り上げて欲しいですね。あと、税理士さんに仕事をお願いするツールがいっぱいあるということを、もっと世の中に知らしめてほしいですね。

司会:それはもう、弊社のサービスだけではなくということでしょうか?

佐久間:他のツールとの連携も一つ方法かと。まあ御社のサービスとして見ると、先ほど申し上げたとおり、透明性が高いと思うので。透明性が高いって、けっこう皆好きだと思います。そこらへん全面的に打ち出していただきたいです。

――期待が大きすぎるのではないかという気もしますけど、ご評価いただいていると受け取らせていただきます。大変貴重なご意見いただきまして、ありがとうございました。お忙しいなか大変いい話で感謝しております。